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津久井やまゆり園から共生社会を考える
2022.12.13

少し前の話ですが、県議会報告会が津久井やまゆり園で行われると聞いて行ってきました。
 
長らくソーシャルワーカーをしていますが、初めて訪れました。
 
…まず最初に率直に思ったのは、「誰のためにこの場所に施設を作ったんだろう?」という立地の悪さでした。住宅もまばらで、とにかく不便な場所です。
質疑応答で地域の方がお話しくださり、今は近隣からも施設が受け入れられている事を知る事ができましたが…。
 
モニュメントはあの事件で犠牲になった19人の方を想って、19本の水が流れています。
施設はきれいになりましたが、事件があった同じ場所…しかも立地が良くない場所に…しかも大規模の施設を作る事を、誰のために誰が決めたんだろう?
 
施設再建について、入所していた当事者の家族から強い希望があったとも聞きました。
…やまゆり園の入所者さんは重度障害の方が多いので、家族が自宅で一緒に暮らせない理由はあるのでしょう。それに、他に選択肢がなければ、藁にもすがる思いで再入所を希望せざるを得なかったのでしょう。
しかし、その流れを変えられるのは行政や県議会だったはず。
 
少し話は変わりますが、私の住む茅ヶ崎市には「翔の会」という社会福祉法人があります。“誰もが地域で暮らせるために”をテーマに幅広く活動している法人です。先日、翔の会の実践発表会に伺いました。そこでは、翔の会の事業所で活躍している当事者の方のストーリーがドキュメンタリー映像でまとめられ、当事者や家族が会場でインタビューに答えてくださるという形式でした。皆さん、地域で生活し、事業所での仕事を通じて社会参加をしていらっしゃいました。支援者との、ある意味では家族より濃い関係性が素敵でした。そして、たくさんの事を考えさせられた時間でした。
 
やはり閉ざされた場では虐待や権利侵害が起こりやすいのだろうと思います。開かれた環境を作っていくことが大切です。それを地域で展開していくためには、地域の人が、物理的にも時間的にも障害者やその家族と共に過ごす時間を持ち、お互いの理解を深めることが必要です。そのためには、やはりインクルーシブ教育をもっと進めていく必要がありますね。一緒に過ごした事もない障害者と言われている人達のことを理解して下さいって言われても、困ってしまう人がいるのが実際だと思います。お話の中で、インクルーシブ教育を進めるためには、個別対応できる環境・ゆるやかな環境が必要とありました。・・・道のりは遠いかもしれないけれど、共生社会の形成について、しっかり取り組んでいきたいと思う経験でした。
平野みぎわ
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